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2009年 12月 29日
ナチュラとNATURA1600のすごさと不思議。
書いてるうちに長くなりました。読みたい方だけ読んでください。

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natura F24mm F1.9

先日、トキカケ写真展で出た話題で、意外と知られていないんだなぁと思ったので。
(区別のために、"ナチュラ"はカメラの方で、NATURA1600はフィルムの方を指すとします。)

まず、ナチュラに付いてるNPモードとは、
明るいレンズと高感度フィルムを組み合わせることで夕方以降の暗い状況でも
ノンフラッシュ撮影を可能にし、「雰囲気のある(ストロボ光による不自然さのない)自然な写真」
が"誰でも簡単に"撮れることを実現させた露出制御プログラム
のことです。

ちなみに、これは露出補正ができるカメラなら、どんなカメラでも、誰でも、同じことができます。
つまりそれは、どういうことかというと、一行で言えば、
昼間では+1.5、夕方以降または一般的な室内の明るさでは+2.0の補正を掛ければいいんです。

で、これを可能にするのがNATURA1600というカラーネガの持つオーバー側のラチチュードの広さ(もうひとつありますが後述)。
ちなみに、NATURA1600のラチチュードは+6段オーバーまで耐えられるとのこと。
これは、たとえば、F8でSS1/1000で切るべきところを、F8でSS1/15で撮っても大丈夫だということ、すごいですね。
これを可能にしてるのが、ベース面に大きな粒子と小さな粒子の2種類もつハイブリッドフィルム(私が勝手につけた名前)という技術です。
それと、フロンティア(デジタルミニラボシステム)かな?

NPモードというのは、そのネガ特性を利用して、常に+1.5~+2.0に補正して写真を撮っていると言える。
では、なんでそんなことをしているかというと、そこには富士フイルムの配慮が隠れている。

ナチュラだけでなく、多くのカメラがどういう風に使われているかと言えば、圧倒的な割合で記念写真。
もちろん、その多くは人物を撮ろうとしてる。だから、富士は押すだけで(人物が)綺麗に写る仕組みを作ったんです。

で、人を撮るとき、屋外だろうが、室内だろうが、その場の明るさより人物の顔などの露出は1~2段暗いんです。
つまり、往々にして、カメラの露出計が示す値は人物が綺麗に写る露出ではない。
ちゃんと写真をやってる人はそのことは常識として捉えてるけど、世の中の9割は知らない。
じゃぁ、カメラの露出プログラムで勝手に調整しましょう(つまりプラス補正しましょう)!と。

これは、かなり掟破りというか、いままで各カメラメーカーが絶対にやってはいけないと思ってたこと。
つまり、リバーサルフィルムも使用することが前提のフィルムカメラとしては、
「カメラが導き出す標準露出」<「撮影者の適正露出」じゃないとまずい。
なので、それ以外は露出補正で撮影者に委ねる、そういう約束!?があった。
それを、(NATURA1600などの)ラチの広い高感度ネガ使用を条件に、別途NPモード、つまり、
カメラが導き出す露出を「標準露出+1.5~+2.0」とすることで、
「カメラが導き出す標準露出」≧「撮影者の適正露出」にしているということになります。
(つまり、ナチュラはフィルムメーカーだからできた製品なんだろうと思います)

そして、もうひとつ。室内や夕方以降のように光が減り、色温度が下がるとどうなるか?
色温度が下がると、青の色が露出不足になる、だいたい1絞り分くらいね。
だから、補正なしで撮ると、アンダーなネガになり、階調の狭い締まりのないプリントになる。

室内や夜に写真を撮ったことがある人はわかるだろうけど、昼間の感覚(露出設定)ではアンダーになりますよね?
まして、光源がスポット的になるから、露出計の示す値はさらにズレてくる。

だから、太陽光じゃない、主に室内以下の暗さでは、さらにプラス補正が必要になる。
そのため、低照度の場合には+2.0に自動補正がかかる露出プログラムを組んでいる。

つまり、人物を考慮した露出補正と、低照度・低色温度の際の露出補正を自動露出プログラムの中に組み込んでる。
で、その結果昼間時にオーバーになる分はネガのラチが引き受ける。
そして、当然、オーバー露出による低速度シャッターは開放F値を1.9(プログラム上は2.0とのこと)と、
24mmというかなり広角な焦点距離をもつナチュラが受け持つという仕組みを築いてる、よく考えられてるでしょ?

ちなみに、NATURA1600を(ナチュラ以外のカメラで使うと)イマイチだという意見がありますが、
その原因は、どういうことか分かりますよね?人物撮影を前提にすると多分ISO400程なんですよね。
(同様に書くならば、ISO400は、人物で使うならばISO100相当ということになりますが)
だから、ナチュラ以外で使うならば、ISO400設定にするか、ナチュラと同じように自分で露出補正すべきなんです。
また、ISO1600以下でもNPモードが欲しいという意見がありますが、
それは、誰でも気軽にちゃんと写真が撮れるという観点からすると、無理なんですよね。

ナチュラとNTURA1600のことをきちんと勉強すると、写真とカメラのことをかなり理解できると思います。


P.S.なぜノンフラッシュかという理由には二つあって、
一つはフラッシュが作り出す絵が不自然に感じやすいから(富士のストロボ制御技術は飛びぬけてますが)。
もう一つは、光源をひとつにすることで、ミックス光による色かぶりを避けられるから。

P.S.2 24mm F1.9のナチュラは製造終了しています、残念。。。

P.S.3 「ナチュラのNPモードならノンフラッシュ撮影ができる」と単純に説明されている場合がありますが、
ノンフラッシュだけならマトモなカメラならどんなカメラでもできる。発光禁止にすれば良いわけで。
また、+1.5~+2.0補正も、原理を理解して、マトモなカメラを使えば誰でもできる。
NATURAはISO1600のフィルムだと言われているが(実際そうですが)、
無補正という前提に立てば、NPモードではISO400として使ってる訳で、決して夜間でも高速SSが切れてる訳じゃなく、
ISO1600のフィルムだからノンフラッシュができるんじゃなくて、24mmF2.0というレンズの方に答えがある。
併せて、フィルムが高照度でも耐えられるからこそ、昼夜問わず使えるわけで。
それを押すだけで仕組みを理解しなくても扱えるという点が、ナチュラ+NATURA1600のすごさなんだと思います。

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by photoboze | 2009-12-29 00:53 | [ camera ] | Comments(4) | Page Top↑
Commented by oldnavy2000 at 2010-01-01 14:13
明けましておめでとうございます。
新年早々Klasseを買おうと思っているのですが、Klasseについている
NPモードもナチュラ同様の動きをするのでしょうか?
ご存知でしたら教えてくださいませ
Commented by photoboze at 2010-01-01 15:02
> oldnavy2000さん。

こんにちは!あけましておめでとうございます!

さて、クラッセのNPモード詳しい内容を知らないです(>_<)。
ただし、補正の方向性はもちろん同じだと思いますよ。

ただし、ISO800以上で作動するし、開放F値も1段暗い、また焦点距離も長い
ということを考えると、夕方以降のプログラムは変わってるのかな??
NATURAにはあったんですが、
KLASSEは露出プログラムテーブルがHPで公表されていないので、
そこは見えないですね。

なお、クラッセは初期設定で発光禁止を記憶させれますので、
その上で手前の補正ダイヤルを+2.0にしておけば、ナチュラのNPと同等になるかと思います。
ただし、SSがナチュラ以上に落ちやすい点は注意がいると思いますが・・・。
Commented by oldnavy2000 at 2010-01-01 22:57
photobozeさん、こんばんは
なるほど、NPモードがKlasseでどうはたらくか、試したほうがよさそうですね。
買って試してみます。
ありがとうございました。
Commented by photoboze at 2010-01-01 23:54
> oldnavy2000さん。

どんなカメラにも欠点があるように、クラッセにも弱点はありますが、
私も何度か使って悪くないなぁと思うので、良いと思いますよ。
特にカラーには向いてると思います(^_^)。


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